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亡くなったのは大晦日か元日か  孤独死が生んだ路線価のミステリー
  今年の相続税路線価が発表された。路線価は毎年1月1日時点での一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価するものなので、つまり土地の相続税評価額は、原則として死亡した年の元日の値段によって決められることになる。今年の1月1日から12月31日までに発生した相続については、「2020年の元日の値段」が適用されるわけだ。
 近年ではインバウンド需要の高まりを受けて、観光地などでは1年で3割以上も路線価が上がることもあった。12月31日から1月1日へと夜が明けるだけで相続税の評価額が3割も変わるのだから、当事者にとっては大事だ。
 過去には、こんなケースもあったとか。元日の朝に、お風呂で亡くなっているところを発見された女性。果たして息を引取ったのは、大晦日のうちか、それとも元日になってからか…。このケースでは年をまたいだほうが路線価が下がっていたらしく、遺族は「故人は紅白歌合戦を見た後に、除夜の鐘を聞いてから入浴する習慣があった」と主張して、年内に亡くなった前提で相続財産を評価した国税当局と争ったという。
 ちなみに路線価が発表される7月までに相続が発生した場合、概算での申告もできるが、最終的には正しい路線価を基に修正申告をしなければならない。税の申告は7月まで待つのが賢明だろう。