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マイカー通勤は合理的経路なら手当は非課税  16年度改正で限度額は15万円に
 
 毎日の通勤にかかる費用は、通勤手当や定期券として給与に加算して支給される。ただし、これらの費用は合理的な運賃額の範囲内であれば課税されないことになっていて、1カ月当たりの「非課税限度額」を超えなければ源泉徴収の対象にならない。ここで気になるのが、その非課税限度額はどのように決められるのかということだ。
 電車やバスなどの公共交通機関のみを利用しているときの非課税限度額は、通勤のための運賃・時間・距離などの事情に照らして、「最も経済的かつ合理的な経路および方法」で通勤した場合の通勤定期券などの金額とされている。なお最も経済的かつ合理的であっても限度はあり、その上限はかつて月10万円だったが、2016年度からは月15万円に引き上げられている。
 遠距離通勤者が新幹線を利用した場合の運賃も、「経済的かつ合理的方法」であれば前述の限度額までは非課税対象だ。ただし、さすがにグリーン車料金まで非課税にすることはできない。非課税となるのは、あくまで自由席の料金と覚えておきたい。
 最近では、新型コロナウイルスへの感染リスクのある満員電車は避けたいということで、マイカーや自転車での通勤に切り替えた人もいるだろう。マイカーや自転車のみで通勤している人については、公共交通機関とは別に、ガソリン代や駐車場代について非課税限度額が設けられている。片道の通勤距離に応じてそれぞれ上限が定められていて、例えば片道2キロ〜10キロであれば月4200円まで、片道10キロ〜15キロであれば月7100円までなどとなっている。最大は片道55キロ以上の3万1600円で、逆に2キロ以内は全額が課税対象だ。ちなみに55キロというと、東京駅からの距離でいえば神奈川県平塚市、茨城県つくば市、千葉県成田市などに相当する。
 なお通勤手当は労働基準法上の賃金に当たり、「通貨払い」が原則だ。ただし従業員の過半数で組織する労働組合と協定を結べば、現物(定期券)で支給することも認められている。