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従業員が死亡! 争族トラブルに巻き込まれぬよう 規定に従い迷わず退職金支払い |
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従業員が死亡した際、退職金の支給についての規定がなく、また本人からの具体的な指定がなければ、会社は退職金を民法上の遺産相続人に支払うことになる。このとき相続人が子ども2人であればそれぞれに支払うのが基本ルールだ。ただ、兄弟間で協議して仮に長男を代表とする次男からの委任状があれば、長男一人に送金することで問題ない。
ただし、会社としては死亡した従業員の相続人が本当に兄弟だけであるのかは確認したいところでもある。実は当該従業員には2人の息子たちが知らないところで家庭を持ち、内縁の妻と子どもがいるようなケースも、現実にはあり得ないことではない。もしも遺産相続が揉めることになれば、莫大な退職金を一部の相続人だけに支払ったとして会社がゴタゴタに巻き込まれることにもなりかねない。
そこで、念のために従業員の出生から死亡に至る改正原戸籍やその他の戸籍謄本などを取り寄せたうえで、兄弟から実印を押した退職金支払いに関する合意書を提出してもらうことが考えられる。これにより退職金の授受の記録が明確になり、会社は善意の第三者としての地位を確立できる。
なお、従業員の死亡による退職金の受取人をあらかじめ退職金規程などで定めておく際には、民法の遺産相続の順位にかかわらず、従業員と同居をしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母などの順番でも構わないとされている。退職金規程などで受取人の順番を規定しておくことは、誰に支払うかを迷わずに済み、またその確認に係る時間や労力を省くことにもなるだろう。
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