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自然災害の準備金  無税枠10%に拡充
  損害保険会社が大規模自然災害に備えて積み立てる「異常危険準備金」について、無税で積み立てられる割合が現行の6%から10%に引き上げられる。12月10日に決定した2022年度税制改正大綱に盛り込まれた。自然災害が多発していることを受け、将来の円滑な支払いのため税制により積み立てを促す。
 異常危険準備金は損保会社が保険料収入の一部を将来の支払いに備えて積み立てているもので、積立金は法人税の課税対象となっている。現行制度では、保険料収入のうち本則の2%に特例として4%を上乗せした6%を無税で積み立てられるようになっている。
 一方で、地球温暖化などを受けた近年の大規模災害の多発により積立金は減少し、損保業界は無税枠の拡充を要望していた。日本損害保険協会によると、18年7月の豪雨災害や翌19年の関東・東北を中心とした台風19号による被害で、支払った保険金の額は2年連続で1兆円を超えた。こうしたことを受けて将来の支払いに支障が生じる事態を防ぐため、今回の税制改正では22年度から3年間の時限措置として、台風、洪水といった風水害、火災を対象に、無税で積み立てられる割合を6%から10%に引き上げる。
 特例が適用されるのは、無税で積み立てる準備金の残高が年度の保険料収入の30%に達するまで。損保業界はこの上限を40%に拡充することも要望していたが、上限は維持された。