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旧統一教会問題  “お布施”無税に異論噴出
  今年7月に安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件以降、宗教法人の税制を巡る議論が噴出している。安倍氏の殺人容疑で送検された容疑者の母親は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)へ多額の献金をして自己破産していたことがわかっており、容疑者は「団体を恨んでいた」と供述しているという。宗教法人は「お布施」など多額の献金があっても法人税が非課税など、税制上の優遇措置を受けているが、この制度の見直しを求める声が上がっている。
 宗教法人は公益法人に位置づけられており、法人税や固定資産税が非課税となっている。収益事業を実施した場合は課税対象となるが、お守りなどの物品を販売しても喜捨と認められれば課税されない。営利法人と違って宗教法人や学校法人、医療法人などの公益法人は利益を出すことをそもそも目的とはしていないためだ。こうした措置に対し、SNS上では「宗教法人にも課税すべきだ」といった意見が出ている。
 「消費者金融も、返せない金額は借りられないようにしている。寄付行為もある程度のアッパー(上限)を決めていくべきだ」。旧統一教会を巡る一連の報道を受け、日本維新の会の松井一郎代表(当時)は7月下旬、宗教法人への寄付を所得に応じて上限を定めるべきとして、秋の臨時国会に法案を提出する意向を示した。
 一方、戦前の宗教弾圧への反省から、憲法でも信教の自由が保障されており、宗教法人活動に対して国や行政の介入の度合いを高めることは容易ではない。関係省庁の幹部は「問題は税制ではなく、悪徳商法をしている団体をどうするか議論すべきだ」と話す。