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相続手続きは放置するほど高コストに  すぐに行いたい不動産の名義変更
   相続発生から数年。現金などの分割は終了しているが、自宅の土地、建物の名義は父のままになっている。母親が自宅不動産に住み続けているうちは特に支障はないが、将来的に施設に入るなどの理由で不動産を売却したいとなれば、相続による名義変更が必要となる。
 不動産の名義変更は法務局への申請など複雑な手続きをしなければならず、後回しにしがちだ。しかし、この不動産の名義変更を行わずに放置しておくと、さらに次の相続が派生してしまったときに面倒なことになってしまうので注意したい。次の相続が発生すれば必然的に相続人は増加し、権利関係が複雑になる。当然、相続人が増えれば、遺産分割協議に同意してもらうための労力も増える。前述のように登記変更がされていないと不動産を処分できず、スムーズな遺産分割を妨げるかもしれない。一人でも同意が得られなければ、遺産分割の調停・審判をすることとなる。
 だがこれらのリスクがあると分かっていても、登記費用などのコストがかかってしまうことを嫌がり、結局動かせず、そのままにしている土地と建物が往々にして存在する。
 来年からは相続で取得した不動産の登記が法的義務となり、3年間放置すれば10万円以下の過料が発生する恐れもある。相続人名義への変更は、早ければ早いほど、相続手続きは簡単、低コストとなることを覚えておきたい。