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自民党パーティー券問題の影響 「#確定申告ボイコット」がトレンドに
 
 自民党の派閥パーティー裏金事件による政治不信は、2月に始まった確定申告にも影響を及ぼしている。政治資金は原則として課税対象でなく、政治資金収支報告書への記載漏れがあっても書類を訂正すれば責任は問われない。一方で、国民の納税で過少申告があれば追徴課税される。SNSでは「#確定申告ボイコット」が一時的にトレンドワードになるなど、政治への不信感が高まっている。
 自民党はこのほど、2018年から22年までの5年間にパーティー券収入の還流(キックバック)のほか、中抜きによる収支報告書への不記載や誤記載があったかを調査。結果として不記載などは、清和政策研究会(安倍派)と志帥会(二階派)の議員らを中心に85人、総額は約5億8000万円に上った。
 政治団体がパーティーや寄付で集めた政治資金は、原則として課税されない。資金提供する側の政治活動の自由に加え、営利目的ではない政治活動に使うことが前提とされるためだ。ただし、議員本人の収入とみなされ雑所得に該当する場合は課税対象となり得る。国税庁は「政治活動に使われない政治資金の残高があれば、雑所得として課税対象になる」と説明する。
 野党は「何千万円もの裏金を受け取っておきながら、なぜ犯罪にならないのか。脱税が問えないのか」と国会で追及。鈴木俊一財務大臣は「国民がそうした怒りを持っていることは大変大きな問題。納税されている方に不公平な思いを持たれないよう丁寧な対応をする必要がある」と述べた。
 だが実態は、収支報告書で詳細は「不明」と訂正し、説明を逃れる書類が多い。ある自民議員は「口座に入れば他の金と峻別できず、私的に流用しても隠し通せる」と指摘。有権者から「1円単位で真面目に納税するのがバカらしくなった」と言われ慌てて説得したというが、「使途不明でも非課税と言われて、納得するほうが難しい」と国民の反発にも理解を示した。