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国税庁「業務センター」へ協力呼び掛け  納税者からは戸惑いの声も
   国税庁がホームページで「業務センター」への協力を呼び掛けている。2019年7月から一部の税務署の内部事務を国税局の専担部署などに集約しているが、一般の納税者はもとより税理士にも周知されているとは言い難い状況だ。聞き慣れない部門からの突然の問い合わせに、納税者からは戸惑いの声も聞かれる。
 国税庁が「納税者や税理士の皆様へのお願い」として協力を求めているのは、業務センターへの税務申告書や申請書の提出について。イータックス(データ)はこれまでどおり所轄の税務署に送信するものの、書面(紙)で提出する場合には業務センターへ郵送するよう呼び掛けている。
 当局では、内部事務の効率化を図るため、2019年から一部の税務署の業務を専担部署で集約処理する「内部事務のセンター化」を進めてきている。
 21年には国税局に「業務センター」を設置し、税務署の行ってきた事務の一部を担当している。ここでいう「事務」についてHPでは「申告書の入力処理、申告内容についての照会文書の発送などの事務」を例示している。その上でHPでは、納税者や税理士に対して電話や文書により問い合わせがあることに理解を求めている。
 この「お願い」にあるとおり、実際に税務申告書の内容などに関して管轄税務署ではなく「業務センター」からの問い合わせが増えているようだ。聞き慣れない部署からの突然の電話に「振り込め詐欺かと思った」など、納税者からは戸惑いの声が聞かれる。なお、HPには「内部事務のセンター化は、納税者の皆様の所轄税務署を変更するものではありません」と記載している。
 今年7月の国税庁の人事異動後には、センター化の対象税務署は全税務署の過半数を占めるとみられている。
 26年には、全国の国税局と税務署をネットワークで結ぶ「国税総合管理(KSK)システム」が全面リニューアルされる予定だが、これに合わせて全税務署を対象にセンター化を完成させるもようだ。