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大分 総合病院が金歯を売って裏金に……記帳ないと税務調査来る!?
  大分県内の総合病院で、歯科患者の歯の詰め物に使われる貴金属を売却し裏金にしていたことが分かった。この病院は2010年までに150万円をプールしていたという。詰め物一つひとつに使われる金属の量はわずかだが、「ちりも積もれば山となる」――。売却益に国税当局も目を光らせている。
 裏金は、歯科が買い取り業者と取り交わした書類が病院の会計課に送付されたことにより発覚したという。会計担当者が長年この取引を把握せず、裏金の習慣が常態化していた事情には、患者から詰め物を引き取るやりとりがあったか否かが不透明であること、そして金属の売却益が歯科医療に直接関わる事業収入ではないため目立たなかったことが挙げられるだろう。
 しかし、このような収入にも注目しているのが税務当局だ。歯科コンサルティングを得意とする都内の税理士は、歯科医院やクリニックの経理指導を行う際、金属売却の有無を確認し、売却している場合は買い取り業者との取引の証票を残した上で、売却益を「雑収入」として必ず計上するよう指導しているという。「金属くずは必ず出るもの。会計上、その『行方』がわからなければ着目される可能性が高い。歯科医の金属売却益は金額的に大きくないだけに、記帳漏れがあることで自由診療の報酬や窓口での歯のケア商品の販売など、ほかの簿外収入も疑われてしまうのは損だ」と語る。
 鉄や銅、アルミニウムなどの金属くずを大量に排出する製造業・建築業が行うスクラップの売り上げ除外は、脱税の常とう手段として強く警戒されている。国税当局では、各種金属の相場をチェックし、関連企業の申告内容と照らし合わせているといわれる。事業内容や規模から金属くずの量を予測し、買い取りの実勢価格から売却益を逆算することはそれほど難しい作業ではない。金をはじめ金属価格が高騰しているだけに、この種の脱税への当局の動きは活発化するものとも考えられる。