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足元の揺らぐ民主を党内バラバラで攻め切れぬ自民  与野党協議のメド立たず
  1月6日の「社会保障と税の一体改革素案」の決定を受け、政府・民主党は野党側に与野党協議への参加を呼び掛けているが、自民党の谷垣禎一総裁は「野田政権はけじめをどうするか、十分考える必要がある」とあくまで慎重な態度を崩していない。民主党の小沢一郎元代表が消費増税に反対の姿勢を示すなど野田政権の足元が揺らぐ中、「民主党を分裂に追い込む絶好の機会」(自民党関係者)と捉えているためだ。公明党も反対姿勢を示しており、一体改革は今のところ膠着状態にあるが、強気に見える自民党も一枚岩とは言い難いのが実情だ。「反対ばかりでいいのか」。「協議拒否」一辺倒の谷垣執行部の姿勢に、森喜朗元首相や甘利明元経産相らベテラン議員からは疑問の声が吹き出している。
 そもそも今回の一体改革素案は、自公政権時代に成立させた所得税法付則104条にある「消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」との規定の遵守をうたっている。しかも自民党は10年の参院選マニフェストで、社会保障財源確保のため消費税率を当面10%に引き上げると公約済み。中身は政府・与党の素案と似通っており、「与野党協議を拒否して国民の理解を得られるのか」(ベテラン議員)との危機感がある。
 一方で、安易に与野党協議に応じれば、「弱腰だ」との執行部批判を招くのは確実。与野党協議をめぐる党内の対立が深まる中、谷垣執行部は「行くも地獄、退くも地獄の状況」(同)。一体改革は、ともに足元からの激しい突き上げをくう野田首相と谷垣総裁の「チキンゲーム」(政府関係者)の様相を呈してきた。