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「特定扶養控除」は現状維持へ  税調ようやく決定
   高校・大学生世代が対象となる「特定扶養控除」をめぐる議論は、政府税制調査会で紆余(うよ)曲折の末、「現状維持」の方向となった。
 特定扶養控除は16〜22歳の扶養家族がいる世帯に対し、課税所得から63万円を差し引く制度。高校、大学の授業料負担軽減のため、一般扶養控除(15歳以下と23〜69歳対象、控除額38万円)より手厚い控除が認められている。
 政府税調では、財務省の古本伸一郎政務官が11月、「高校授業料無償化と合わせ、圧縮の議論をしたい」と提案したが、無償化を担う中川正春文部科学副大臣が猛反発。
 結局、文科省が無傷で守り通したかのようにみえたが、12月3日の会見で、今度は予算編成担当の野田佳彦財務副大臣が「一律無償化では低所得者への恩恵が薄い」と反論。再び風向きが変わった。
 川端達夫文部科学大臣は同4日、特定扶養控除のうち無償化の恩恵を受ける高校生分に絞った圧縮を提案。前回は反対の急先鋒(せんぽう)だった中川副大臣もこの日、政府税調で圧縮の可能性を探るよう求めたが、議論の時間が足りず、来年度は結局「現状維持」で落ち着いた。
 「国の根幹である税制の議論が一部省庁の思惑でここまで揺れ動いていいのか」。絵に描いたようなドタバタに、政権幹部はあきれ顔だ。