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子ども手当の“理念”とは――?  所得制限かけずに寄付制度
   2010年度当初予算で、鳩山政権の目玉政策である「子ども手当」は、所得制限をかけないことで決着した。しかし、すべての子どもを対象とすることについては「金持ち優遇」との批判が一部にあることに加え、2010年度で約2・3兆円に上る概算要求額を縮減するために民主党は所得制限を重点要望に盛り込んだ。
 だが、所得制限をかける年収額について政府・与党内で大きく意見が割れた。民主党の山岡賢次国対委員長は「2千万円ぐらいが妥当」と主張。一方、国民新党は、「2千万円だったら、やらないほうがいい」(下地幹郎政調会長)と反発し、現行の児童手当の所得制限額860万円から、1千万円の範囲内とするよう求めた。2千万円では、99・9%の子どもが給付対象となり、予算の縮減額はわずか20億円程度。860万円では、1割の子どもが対象外となり2千億円以上の予算が縮減できる計算だ。
 財務省内には「まさに理念の問題。自民政権での定額給付金のように答えは簡単に見つからない」(幹部)と、決着を危ぶむ声もあったが、結局は制限をかけないことで落ち着いた。鳩山首相は金持ち優遇批判をかわすために、手当が必要ないとする世帯は自主的に自治体に寄付をできる仕組みを作る方針を明らかにした。