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海外居住者の税逃れに歯止め  口座情報の報告義務化へ
  経済協力開発機構(OECD)は、富裕層の資産隠しや税逃れを防ぐための新ルールの詳細を明らかにした。海外居住者が持つ預金口座の名義人氏名、住所、残高のほか、証券口座の情報につき、各国の金融機関に対し税務当局への毎年1回のオンライン報告を義務付ける。新ルールに参加する国の税務当局間で海外に住む人の情報を交換し、資産隠しや税逃れに歯止めをかけるのが狙いだ。
 口座残高の情報を共有することは、各国の税務当局にとって大きな意味を持つ。OECD加盟国はこれまで個別に租税条約を締結して口座情報を交換してきたが、仮に海外に隠し口座があったとしても、海外への送金がない限り各国の税務当局はその存在を把握することが難しかった。新ルールを作成することでOECDは、税務調査がしやすくなると期待を寄せる。
 OECDは、金融機関の事務負担を減らすために残高100万ドル(約1億円)以下の口座はシステム検索など簡易方法での確認を認めるが、100万ドル超は営業担当者への聞き取りや保存書類の確認などを求める方針だ。
 主要20カ国・地域(G20)もOECDルールの活用に合意済み。9月にオーストラリアで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議で再確認する。2016年までの導入を目指す。昨年5月16〜17日にかけてモスクワで開催されたOECD税務長官会議では、「各国は団結して国際的な脱税および濫用的租税回避に断固として対抗し、脱税者およびその幇助者に対しては、どのように脱税を隠ぺいしようとも、見逃すことはない」と、力の入った声明が発表されている。