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改正地域再生法が施行  企業の地方移転費用や雇用増に税優遇
  税優遇を設けて企業の地方移転を促す改正地域再生法が、6月19日の参院本会議で可決、成立した。東京をはじめとする都市圏に企業が集中する状況を解消し、安倍政権の政策の柱である「地方創生」につなげることが狙いだ。
 同法では、東京に本社を置く企業が地方に本社機能を移転する場合や、すでに地方拠点を置いている企業が拠点機能を拡充する場合に税優遇を受けられる。移転計画の承認を受けた企業を対象に、承認から2年以内に取得した建物や附属設備、構築物について、最大で特別償却25%または税額控除7%を認めるものだ。ただし税額控除の上限は法人税額の2割で、取得する建物などの合計額が2千万円(中小企業は1千万円)以上であることが要件となっている。
 また、一定以上雇用を増やした企業に税優遇を認める雇用促進税制でも優遇が受けられる。現行制度では、適用年度および前年度に事業主都合の離職者がいないこと、前年度に比べて給与が一定以上増加していること、雇用保険一般保険者の数が前期に比べて5人以上かつ10%以上増加していることなどを要件に、雇用増加1人あたり40万円の税額控除が受けられる。これを、地方拠点での雇用増加については1人あたり50万円に引き上げるとしている。また10%以上雇用増加の要件を満たせなくとも20万円の税額控除を認める。大都市から地方に移転させる場合は、さらに1人あたり30万円の税額控除が上乗せされる内容となっている。
 同法をめぐっては、ファスナー製造の大手「YKK」が管理部門など本社機能の一部を生産拠点のある富山県に移管する予定としており、税優遇の適用を受けることを検討しているという。
 「地方創生」関連では、地域再生法と同じ日に、第5次地方分権一括法が可決成立した。4ヘクタールを超える大規模農地を宅地や商業地に転用する際に、これまで必要だった国の許可が不要となるもの。