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高額な不妊治療  保険商品で負担軽減
   金融庁が不妊治療にかかる費用をカバーする保険商品を2016年春にも解禁する方針を固めた。政府の1億総活躍国民会議は15年11月、不妊治療支援の拡充を提言したことから、保険商品の販売を容認することになった。病気やけがの治療に備える医療保険の特約として付加し、加入後に不妊症と判明すれば保険金を支払う形が想定されるという。
 とかく不妊治療は高額で、30代の夫婦の平均で130万〜140万円、40代の夫婦の平均では300万円を超えるというデータもある。健康保険は「疾病・負傷」について給付を行うことから、これに該当しない不妊治療には適用されず、高額となる体外受精なども含めて全額自己負担となるからだ。
 今回の金融庁の解禁は医療保険の特約であることから、どうしても事前に保険に入ることができる経済的余裕のある人のみが対象になることが予想される。経済力によって不妊治療を受けられるかどうかが決まるようになれば、新しい命が貧富の差で選別されることにもつながりかねない。憲法14条の「法の下の平等」に抵触することも考えられる。不妊治療について、国は民間任せにせず、しっかり公平にカバーできる制度の構築に着手すべきだ。