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地方消費税の分配基準見直し  ネット通販を基準外に
 
 政府・与党は、消費税のうち地方の財源となる「地方消費税」を各都道府県に配分する際の基準を見直す検討に入った。地方消費税は消費に関連する統計を基にした基準を用いることでモノやサービスの最終的な消費地に税収を配分するようにしている。
 しかし、近年利用が増えているインターネット通販は販売会社のある地域と実際の消費地が異なる場合が多く、こういったケースでは会社がある首都圏など都市部に税収が配分されていた。このため、基準からインターネット通販やカタログ通販を外し、現状よりも地方に多く税収を配分できるように見直す方針だ。12月にまとめる税制改正大綱に盛り込み、2017年度から適用する。
 消費税率8%のうち、国税は6・3%、地方分である地方消費税は1・7%。14年度の地方消費税収は3・1兆円だった。これを各都道府県のモノやサービスの消費額▽人口▽従業者数に応じて割り振ることにしている。1人当たりの消費額には大きな地域差は生じないと思われるが、最も多い東京都と最も少ない沖縄県では1人当たりで1・7倍の税収差が発生しており、全国知事会も「最大2倍の格差が存在している」と自治体間の財政力格差の拡大を懸念していた。
 経済産業省の調査では、14年の小売業の年間商品販売額約120兆円のうちインターネット通販やカタログ通販は約5・6兆円を占める。高市早苗総務相は10月25日の閣議後会見でこれらの販売額について「基準に用いる数値から除外することを検討している」と表明し、税収の偏在是正に取り組む姿勢を示した。情報通信業や旅行業などサービス分野については15年度の税制改正で対応済みだ。