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二世帯住宅の区分登記は相続税負担増  固定資産税は減額できるが…
  玄関や水回りが親子で別々の「二世帯住宅」であっても、土地や建物の登記は不動産全体でひとつのものとして「単独登記」や「共有登記」ができるが、固定資産税や不動産取得税の減額措置を親子それぞれが使って税額を減らすために親と子が別々に「区分登記」をすることも可能だ。ただし、区分登記をすると、相続が発生した際の負担が重くなるリスクがあるので注意が必要だ。
 固定資産税の額は、所在地の自治体が決める固定資産評価額(課税標準額)の1・4%が基本だが、宅地は200平方メートルまでの部分が6分の1、それを超える部分が3分の1に減額される。区分登記することで、この6分の1になる特例を二世帯分使うことが可能となる。例えば400平方メートルの土地に二世帯住宅を建てて子が単独登記したとすると、6分の1まで減額されるのは宅地の半分までとなる。しかし200平方メートルずつ区分登記すれば、宅地の全てが軽減対象となり固定資産税を抑えることにつながる。
 家屋部分も同様に、区分登記によって固定資産税を節税できる。床面積50〜280平方メートルの新築家屋の固定資産税は3年間半額になるが、減額されるのは120平方メートルまでの部分に限られる。ただし、区分登記をすれば親子それぞれが減額措置を使えるので、最大240平方メートルまで税額が軽減されることになる。
 固定資産税評価額に3%の税率を掛けて計算する不動産取得税も、区分登記をすることで納税額を減らせる。一定の新築住宅は評価額から1200万円を控除できる特例があり、区分登記で二戸分ということにすれば控除額は2400万円に倍増する。
 しかし、区分登記をすると、相続した宅地の評価額を8割減らす「小規模宅地の特例」の適用外になってしまう。配偶者以外の相続人が特例を適用するには、相続が発生する直前に被相続人と同居していたか持ち家を持たずに別居していなければならないが、一定の二世帯住宅に住んでいれば建物は別々でも「同居」とみなされ適用対象になる。しかし、区分登記をすると同居していたことにはならない。