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使わなくなった古い機械を除却損に計上  税務署は厳しいチェック!
  「業務用機械が古くなったため買い換えた」「商品の仕様が変わって古い製造機械が使えなくなった」「不況で商品の生産が中止になった」――。業務用の固定資産の多くは、こうした理由で不用になるが、これらを処分せずにオフィスや工場などに放置していれば、業務スペースは縮小するし、固定資産税も毎年かかってしまう。かといって、廃棄には膨大な費用がかかり、なかなか思い切れない。
 そこで「有姿除却」という制度を覚えておきたい。これは、使用しなくなったにもかかわらず廃棄や解体をしていない固定資産でも、現状の有姿(あるがままの姿)のまま除却損を計上できる制度のことだ。対象資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額が除却損として計上できる。不用な固定資産を処分できずに抱え込んでいる会社にとってはなんともありがたい制度である。
 しかし、それだけに税務署のチェックも厳しい。有姿除却後も時々使用していたことがバレてしまい否認されることや、使用していなくても「今後使用する可能性がないことを立証できない」として色メガネで見られることもある。
 そのため、実際には廃棄していないモノを帳簿上「廃棄した」ことにする以上、それなりの体裁を整える努力は必要となる。つまり「今後は事業に使うことはありません」ということを立証することだ。
 稟議書などによる会社としての判断や、第三者による診断結果を準備しておくというのもひとつの手であるし、また生産される製品の管理状況を整えておく、その機械の最も要となる部分を破砕して物理的に使用不可の状況にするという方法もある。税務調査シーンでは必ず問題になる有姿除却。立証責任を果たせるよう、十分に準備しておきたい。