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上場株式は4つの終値で相続税評価  3カ月の各月の平均値も算出
  相続財産のうち、取引価格が公開されている上場株式は時価が明確であるため、相続税評価額の算定に専門的な知識は不要だ。ただし上場株式の価格は毎日変動しているので、いつの時点の価格を評価額とするかという点は問題になる。
 相続した上場株式の評価の時期は、他の財産と同様に、原則では被相続人の死亡日の最終価格(終値)で判断する。ただし、(1)死亡した月の毎日の終値の平均額、(2)死亡した月の前月の毎日の終値の平均額、(3)死亡した月の前々月の毎日の終値の平均額――の3つも併せて判断し、最も低い価格を相続税評価額とすることができる。上場株式はストップ高やストップ安があれば1日で大きく動くだけに、4つの「終値」は相当の差が生じやすい。
 なお、上場株式の相続税評価額の算定に使う「終値」は午後3時の取り引き終了時点の価格を指す。相続開始日に証券取引所が休みで取り引きがなければ、相続開始日に最も近い日の終値を使う。すなわち、被相続人の死亡が土曜なら金曜の終値、日曜なら月曜の終値を採用することになる。