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パナマ文書の流出後の混乱あらわ 120万件が新たに流出 |
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租税回避地(タックスヘイブン)を利用して租税回避をしていた顧客リストなどがパナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した「パナマ文書」問題に絡み、新たに約120万件の電子ファイルが流出したことが分かった。前回と同様、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した。新たに流出したファイルには、前回の流出があった2016年以降にやり取りされたメールなども含まれ、流出問題への対応に追われる事務所内の混乱があらわになっている。
パナマ文書は、モサック・フォンセカが関わった金融取引の内容や企業名、個人名などが記載された内部文書で、取引1150万件、データにして2・6テラバイト分のデータが内部リークによって16年春に流出した。文書に記録された金融取引はケイマン諸島、英領バージンアイランドなど世界に数十カ国、数十地域あるタックスヘイブンを通じたもので、そこに架空の子会社を設立することによって大企業や富裕層が資産を国外に逃し、税負担を免れていることが文書によって明らかにされた。ロシアのプーチン大統領、英国のキャメロン首相、中国の習近平国家主席など、多くの首脳の親族や関係者が取り引きに関与していたことも判明し、アイスランドのグンロイグソン首相は同文書に記載されていたことを引き金に、辞任に追い込まれている。
今回新たに流出したのは120万件、データにして443ギガバイトの電子メールなどで、多くは前回の流出があった16年から17年にかけて作成された文書だ。
それによれば、情報流出を受けて内部調査を行ったところ、パナマで管理していた1万500社の法人のうち、同事務所が真の所有者を特定できたのは25%に過ぎず、全体の4分の3は管理者である事務所すら把握できていなかったことが明らかになっている。パナマ文書にはアルゼンチンのマクリ大統領の名前も記載されていたが、モサック・フォンセカは文書が流出するまで大統領の関与を知らず、顧客確認を怠っていたことを隠すために文書改ざんを検討していたことも分かった。
パナマ文書問題を受けて、同事務所を利用する顧客は激減したとみられる。手数料の減額などを提案したものの顧客離れを止めることはできず、同事務所は今年3月に営業停止を発表している。
なお今回新たに流出した文書では、少なくとも3人の日本人が出会い系サイトの表向きの代表者として無断で登録されていたことが判明している。
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