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政治家の献金やパーティー券は寄付金扱いで  実際に出席すれば交際費になることも
  国民の暮らしに直結する今年の行事といえば、なんといっても春の統一地方選と夏の参院選だろう。選挙の結果はそのまま明日の生活を変える。そのため国民の投票行動にはそれぞれの思惑が込められ、いかに自分の理想に近づけるかを一票に託す。
 それはビジネスでも同じことで、候補者の政策が自社の利益になると思えば投票はもちろん、業界を挙げて選挙活動の応援もし、さらに献金も行う。
 ただ覚えておきたいのは、献金にあたって政治資金規正法では、個人も企業も、政治家個人への直接の献金は認められないということだ。特に企業は、政治家が特定の企業に見返りを与えることにつながらないようにするためだという。本来、見返りを求めていないのであれば、その支出は経営者による企業への背任行為ともとられかねないのであるが、建前として法律ではそう決められている。献金するとしても政党に直接、または政党が指定する政治資金団体を通じてしか支出できない。
 また、会社法の側面からも規制がある。前述のように、献金は会社や株主の利益に直接的に資するものではないとされていることから、献金は会社の規模や実績など諸々の事情を考慮して合理的な範囲内で行わなくてはならない。会社や業界のための献金であっても、建前としての理由を株主や利害関係者向けに用意しておく必要がある。
 そもそも政治献金は寄付金であるので、損金として認められるのは損金算入限度額までだ。自社の限度額を見越して、他の寄付とのバランスをとって損金になる分だけの献金をするのがスマートな経営といえそうだ。
 政治献金と隣接した支出に政治資金パーティーの参加費がある。飲食のある会合への参加だが、この費用は原則的に寄付金として扱われるので、寄付金限度額を計算する際に忘れないようにしたい。もともと政治家のパーティーの目的は飲食や親睦ではなく、券の購入そのものに意義がある。そのため実際はパーティー券を購入しても出席しないことも多いため、原則として交際費ではなく、寄付金となっている。もちろん、本当に出席したのであれば交際費になるが例外扱いであるため、証拠となるメモや写真などを取っておくほうが無難だ。