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増税対策のポイント還元  公金支払いは対象に含まれず
  10月に予定される消費増税に当たっては、個人消費の落ち込みを防ぐためにキャッシュレス決済を利用した経済対策が用意されている。それはクレジットカード、交通系ICカード、電子マネー、QRコードなどで決済を行った時に、通常のポイントに上乗せして2%または5%のポイントが還元されるというもの。
 このキャッシュレス決済につき、決済手段ごとに還元できる上限は定められているが、現時点ではクレジットカードの枚数に縛りをかける予定はないという。そうなれば、理論上はカードを持てば持つほど青天井で還元が受けられるということになる。複数枚のカードをお持ちの社長さんなら、なるべく高額な決済をしたほうが得だと言えるだろう。
 ただし、すべての支払いが還元対象となるわけではない。学費、病院への治療費、介護施設の利用料といった、もともと消費税のかからない支払いについては増税対策の意味がないため、対象外だ。またキャバレーや風俗店といった風営法情の風俗営業への支払いも対象外なので、接待に利用したいと思っているならあきらめよう。
 そして国税のクレジットカード納付もポイント還元制度の対象外となっている。2017年1月にスタートした国税のクレカ払いは、わざわざ金融機関などに足を運ばなくてもインターネット上で税金が納付でき、ダイレクト納付や振替納税といった他の方法に比べても手続きが簡単なことから利用が増えているが、残念ながら増税対策のキャッシュレス決済の対象とはなっていない。
 もっとも付与されないのは今回の増税対策の分だけで、通常のクレカのポイントはもちろん付いてくる。国税であれば税額1万円ごとに76円(1万円未満でも76円)の手数料が発生するため、0・76%超のポイント還元率の付いたカードならばポイント分の得をすることになる。もちろんいうまでもなく、分割払いやリボルビング払いは金利や別途手数料によって損をする可能性が高まる。増税対策のポイント欲しさに分割払いでカードを切るなどと、本末転倒なことはならさぬよう。