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改正された自筆遺言の新ルール フリーハンドではないので注意事項は継続 |
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2018年の民法改正で相続に関連する規定が約40年ぶりに見直され、遺言者が全文にわたり自筆で残す自筆証書遺言の要件が緩和されている。この改正により19年1月13日以後に作成する自筆証書遺言に添付する財産目録について、自署ではなくパソコンで作成することや、銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書などを目録として添付すること、また他者に書いてもらうことも可能になった。もちろん、偽造防止の観点から、財産目録の各ページへの自署・押印は必要だ。
また、法務局での遺言書の保管に関する法律が創設され、遺言者は自分の住所地や本籍地、または所有する不動産の所在地を管轄する法務局(支局・出張所など)に対しても自筆証書遺言の保管を申請できるようになる。
これらの改正によって、財産が多い人にとって大変な手間であった手書き作業が軽減されたほか、遺言を紛失したときの心配も減り、一般に利用者のためになる改正と評価は高いようだ。
ただ気を抜かずにいたいのは、要件が緩和されたからといって、決して「自由」になったわけではないということだ。法律にのっとった書き方や変更方法の要件を満たしていないことで遺言書が無効となることは珍しくなかったが、今後は「要件緩和」のイメージが先行してミスを誘発するおそれもある。自筆であっても可能な限り専門家のアドバイスは求めたい。
なお、あらためて公正証書遺言のメリットとデメリットのおさらいもしておくと、公正証書遺言は、公証人が作成する公文書であるため費用はかかるものの、一般的に失敗のおそれはない。遺言書無効などの万が一の事態を避ける保険とすれば、安心を金で買うことも有効な選択肢だろう。ちなみに公正証書遺言の作成費用は、財産3億円から10億円以下なら10万円程度となっている。基本的に公証役場で作業をすることになるが、病気や高齢で出掛けられないときは出張サービスもある。公証役場へ直接行くのであれば日本中どこの公証役場でも遺言作成は可能だ。 |
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