|
|
|
|
|
|
|
共済と生命保険の使い分け 掛け金の安さが共済最大の強み |
|
共済は生命保険と同じく、もしもの時に備えるものだが、生保とは様々な点で異なる特徴を持っている。例えば、共済事業は組合員自らが運営し、相互扶助の精神のもと、組合員に最大の奉仕をすることを目的としている。一方、生命保険事業はれっきとした営利事業だ。また加入対象者を見ても、共済事業は原則として組合員やその家族のみが対象だが、生命保険は不特定多数を対象にしている点が異なる。
もっとも、こうした違いがあるとはいえ、加入者にとっては保障を目当てに契約し、何かがあった時にはお金を受け取れることに変わりはない。お金も、生命保険では「保険金」「保険料」「配当金」と呼ばれるものが、共済では「共済金」「共済掛金」「割戻金」と呼ばれるが、両者は実質的に同じものだ。
では両者にはそれぞれ、どのような強みと弱みがあるのか。まず共済の強みとして挙げられるのは、掛け金が安いこと、保障内容が改訂されて手厚くなっても掛け金は値上げされないこと、共済事業の決算内容がよければ割戻金をもらえることなどがある。一方のデメリットとしては、原則として組合員以外の加入ができないこと、共済の種類自体が少ないこと、保障の絶対額は生命保険より少ないことなどがあるだろう。
これに対して生命保険のメリットは、誰でも加入が可能なこと、保障内容などのバリエーションが豊富で商品も多いこと、必要保障額を自身で設定できることなどがあり、デメリットとしては保険料が高いこと、契約者によって保険料が変わることなどが挙げられる。共済と生命保険にはそれぞれ強みがあり、お互いの弱みを補い合っている部分もあるので、中小企業経営としては必要に応じて両者を使い分けるのが賢明と言えそうだ。
そうしたなかでも経営者として最低限押さえておきたい共済は、「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」と「小規模企業共済」の2つだろう。経営セーフティ共済は、取引先が倒産して債権回収が困難な時に共済金の貸付が無利子で受けられたり、急な資金が必要になった時に無担保、低金利で融資が受けられたりするもので、掛け金の全額が損金になるという節税面でのメリットもある。小規模企業共済は、個人事業主の廃業時や会社役員の退任時に共済金が受け取れる、小規模事業者向けの退職金制度と言える。こちらも掛け金を損金に算入できるので、従業員数などの加入資格を満たせるなら、ぜひ利用を検討したいところだ。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|