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次世代通信規格への税優遇 “ファーウェイ対策”が条件 |
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与党の税制調査会は、総務省が2020年度の税制改正要望に盛り込んだ次世代通信規格「5G」に関する投資の支援税制について、サイバー攻撃への安全対策を整えていることを条件に導入を認める方針を決めた。中国の華為技術(ファーウェイ)を敵視する米国が、中国製品を5G市場から排除するよう関係国に求めており、安全保障の面で同調が必要と判断した。企業が提出した投資計画を基に、関係省庁を所管する大臣が支援対象に該当するか判断する仕組みになりそうだ。
総務省は8月に打ち出した税制改正要望で、5G関連の投資を促進する税制を創設するよう求めた。携帯電話大手各社が当初の計画よりも前倒しで基地局を設置した場合、法人税から投資額の一定の割合分を差し引くことなどを念頭に置いたもので、工場の内部など特定の地域で5Gを使った無線通信が可能になる「ローカル5G」も支援の対象に加えることが掲げられた。すでに経済産業省も賛意を表明し、経団連も同様の提言を出している状況だ。
これに対し、自民党は無条件の支援に難色を示している。11月12日に開かれた経済産業部会では、出席した議員から認定に厳しい条件を課すよう求める声が続出。甘利明税制調査会長も「安全・安心の下に普及したものが競争力を持つようにする必要がある」と語った。
ファーウェイは5Gに関連する特許数で世界トップを誇るが、米国は連邦通信委員会のパイ委員長が「通信ネットワークで重大な懸念がある」と指摘するなど、各国の当局と共闘して中国製品を排除する考えを示している。日本の通信各社は5Gの基地局をメーカーから買い取って整備を進めているが、ファーウェイ製品は小型でコストが抑えられるメリットが指摘されており、「米国にどこまで従うべきなのか悩ましい」(通信大手役員)というのが本音。打ち出される支援税制の実効性が危ぶまれている。
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