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社長の交際費が否認されれば税金揃い踏み  法人税、所得税、消費税、延滞税
  経営者たる者、社外でのお付き合いは欠かせない。ランチミーティング、夕食会、土日のゴルフ、そして深夜のクラブまで、他人が見れば遊んでいるようにしか見えない集まりでも、そうした地道な活動が社の土台を盤石なものにしているものだ。
 ただし、自分では社業に必要な会合と思っていても、それをそのまま税務署が認めるとは限らない。社業で必要な経費として経理課に精算してもらったものが、税務調査では「個人的な支出」への支払とされ、受け取った経費が役員賞与の扱いになることは珍しくない。
 こうした税務署の判断に対しては、企業としては納得がいかずに国税不服審判所に判断を求めたり、また裁判になったりすることが多い。それもそのはず、仮に社長が寛容になって「まあ仕方ないか、ここは受け入れよう」と気持ちを新たにしたとしても、役員賞与の問題はそこで終わりではないからだ。
 経費計上していた金額が役員賞与と調査官に判断されると、これは損金にできない金額ということで新たに法人税の再計算が必要になり、追加課税されることになる。また役員個人には所得税がかかり法人には源泉所得税の徴収義務が生じる。さらに経費として計上した支出に掛かる消費税(仕入れ税額)が認められなくなるので、新たに消費税も課税される。
 もちろん、これらを申告期限内に納めなかったということで、延滞税などの附帯税対象にもなり、悪質と判断されれば重加算税ということにもなりえる。
 役員の支出が個人的なものとされやすい経費には、福利厚生費、交際費、消耗品費などが挙げられ、いずれも税務調査官のチェックは厳しい項目といわれている。