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野村克也さん死去 連続課税を緩和する相次相続控除 |
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元プロ野球選手で「ノムさん」の愛称で知られた野村克也さんが2月11日、虚血性心不全のため84歳で死去した。妻の「サッチー」こと沙知代さんの死去からわずか2年後のことで、息子・克則さんが悲痛な面持ちで報道陣に対応する姿が毎日のように報道されている。
2017年に死去した沙知代さんは、過去の脱税事件で発覚した所得隠しの額が5億6800万円に上ったことからも、多額の資産が相続の対象になったと見られている。法定相続人は野村さんと子どもで、配偶者は民法の規定によって財産の2分の1までは最低でも受け取れることが保障されているので、野村さんが法定相続分を受け取っていたとすれば多額の相続税を支払ったことになる。
そして沙知代さんの死去の2年後に野村さんがこの世を去った。50億円とも100億円とも言われる財産の中に沙知代さんから引き継いだ財産があることを前提とすると、野村さんが相続した際にその財産に一度税金が課されているにもかかわらず、2年後にも野村さんの財産として課税されることとなる。
野村家のように両親が数年のうちに相次いで死亡したときは、同じ財産に2回の相続税が課されるという負担を緩和するため、特例的な措置を適用できる。最初の相続で配偶者が支払った相続税の一部が、その配偶者の相続で税金から控除できるという仕組みだ。
二重課税とも言える重い税負担を緩和する「相次相続控除」は、相続の10年前までに別の相続で財産を取得して相続税を支払っている場合、過去に被相続人が支払った相続税の一部を二度目の相続の税金から控除できる。控除できる金額は、前回の相続で支払った相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額となる。すなわち、1度目の相続と2度目の相続の間隔が短いほど多く差し引けるようになっており、同じ年に2度目の相続が発生すれば最初の相続税のほぼ全額を控除できる。
野村家のように母の死去の2年後に父が死去したとする。父が母から相続した財産は10億円、父が支払った相続税額は4億円、そして父の相続の財産価格の合計額が12億円、相次相続控除を受ける相続人が取得した財産は3億円とすれば、単純計算で1億6千万円を父の相続で控除できることになる。
なお野村さんの相続の法定相続人には、克則さんらのほか、野村さんの前妻との間の息子も含まれるとされる。離婚すれば配偶者との法的な関係は解消されるが、子どもについては特別な事情がない限り、法的な親子関係が継続し、相続時には財産を受け取る権利を持つことになる。
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