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現金給付“ちゃぶ台返し”の舞台裏 「政権はもう末期」の声 |
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新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急経済対策を巡り政府が迷走した。公明党の突き上げを受けて4月16日、すでに閣議決定した現金給付30万円を一律10万円給付に差し替えた。補正予算案が国会提出される4日前の異例の急展開だった。
引き金は14日、自民党の二階俊博幹事長による10万円給付が必要との発言だった。これを受けて公明党が15日朝、幹部会を緊急招集。その勢いで山口那津男代表が官邸に乗り込んで安倍首相に直談判し「方向性を持って検討する」との言質を引き出したところで流れは決まった。
背景にあるのは30万円給付のあまりの評判の悪さだ。自公両党は当初、所得制限なしの一律給付を求めていたが、政府は拒否。コロナで減収し本当に困っている世帯に手厚く支援する30万円案を財務省主導でまとめた。
ところが、減収幅と住民税非課税水準をもとにした対象要件が複雑すぎると大不評。感染が全国に拡大する中、対象世帯が全体の2割程度にとどまることも明らかになって批判に拍車がかかった。
首相の最側近議員も内々に首相に10万円実施を求めるなど緊迫度が増した。二階氏の発言はガス抜き狙いで10万円の実施は次期経済対策のつもりだったが、公明党への根回し不足で計算が狂った。官邸とのパイプで依存していた菅義官房長官の影響力が低下し「根回しなく重要なことが決められていく」(党幹部)ことへの公明党の不満が爆発した。
財務省と総務省から「補正予算案を修正しても遅れは1週間程度で5〜6月に支給開始できる」との情報を得ると、公明党幹部はそれぞれのルートで官邸・自民党側に「一歩も引かない」と伝達し一気に外堀を埋めた。
ただ、公明党の「ちゃぶ台返し」に自民党からは怨嗟の声が漏れる。党政調幹部は「政権末期の様相だ。迷走している」とため息をついた。
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